私たちの実施している「茶煙静」というセッションについて。
私たちが実施している茶煙静というセッションは、茶と禅が共に日本にもたらされた、その歴史的事実にフォーカスを当てたセッションです。
茶煙静では、茶を煙にして吸引した後、茶のカフェインが脳に作用した状態で坐禅をします。
深い集中状態で坐禅をするという経験を、修行者でなくても体験しやすくするための仕掛けです。
およそ800年前、中国で禅を学んだ栄西(えいさい)という日本の僧侶によって日本に禅が伝えられました。
禅の修行の中心は、坐禅という瞑想方法です。
坐禅とはどのような瞑想かというと、とにかくじっと坐り続け、究極的に落ち着いた状態を作った上で、自分や、自分の身の回りの現実を観察し、人間と世界を知ろうとする技術だと私は理解しています。
ところで、坐禅を実践しているとしばしば眠くなってしまうことがあります。
そこで栄西は、禅と共にある物を中国から日本に持ち帰りました。
それが茶です。茶のカフェインが坐禅中の眠気を退け、集中力を補強するためだと考えられています。
現在日本では、あらゆる茶の楽しみ方が研究され、茶道という洗練された体系も存在しますが、もともと茶は坐禅の実践を補助するための薬として茶が中国から持ち込まれたのです。
ですから、禅の修行道場においては、現在でも1日のうち何度も茶で一服する習慣が残っています。ただし、現在はカフェインが脳に作用するほどの濃い茶を飲むということはありません。
茶煙静では、シーシャ(中東の喫煙具)で使用する水パイプの原理を使って、煙草ではなく茶の葉(特にハイクオリティーな玉露という日本茶)を熱し、その煙を一度水に通し、余計な成分を水に吸収させた上で、茶の煙を口から吸い込みます。
口に入る茶の煙は、とても滑らかで、芳しい茶の香りが強くします。
茶を煙にして吸うことは、茶を液体の状態で飲むのと違い、胃が荒れることがなく、トイレが近くなることもありません。さらに、胃から摂取するより早くカフェインが脳に作用する感覚があります。
そして、茶を吸った後、茶のカフェインが脳に作用した状態で坐禅をするのです。
歴史的には「飲む」ことによって茶のカフェインを摂取してましたが、私たちは茶を「吸引する」ことでカフェインを摂取します。そして、その効果を実感しながら、深い瞑想体験へとガイドしていく、これが私たちの実施する茶煙静というセッションです。
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